向かったのは「大海」という店。だいたい入り口の雰囲気で、高級割烹、小料理、和食、居酒屋という雰囲気が分かるのですが、この店は和食レストランという佇まい。
初めて入る店というのは、日本でも海外でもドアを開けるのにちょっと勇気が要ります。しかし今日は「ここで食べるぞ」と思って歩いてきたわけですから、迷う必要はありません。
ガラッとドアを開けると目の前左側に手前から奥にカウンターが並び、右側にテーブル席。満席なら40人ぐらいは入れそう。
しかしお客さんは入り口に近いカウンターに地元の人と思われる中年の女性が一人だけ。しかもこの人タバコを吸っています。
「困ったな」と一瞬思いましたが、まあ店は広いのでカウンターの奥のほうへ。カウンターの中にいたのは、老夫婦。少子高齢化の波がレストランにも押し寄せているようです。明らかに私より年上です。
「昨日は満員で手伝いの若い子もいたけど、今日はお客さんが来そうも無いので、二人だけでやってます。まあゆっくりしていってください」との事のでした。
スナックに遊びに来たわけではなく、おいしいものを食べに来たわけですから、のんびりできるのは大歓迎と考え、生ビール600円を頼んでメニューをチェック。
刺身定食1700円というのが良さそうだったのでこれを注文。するとマスターは刺身を作りに奥の厨房へ。残った奥さんと、カウンターのおばさんとともに雑談。
以前はこんな雑談は滅多にせずに、だいたい本を読んでいることが多かったのですが、最近は時折周囲の雰囲気で雑談をするようになりました。
無口で人見知りの激しい私も、少しずつですが60年の歳月を経て、多少社交的になってきたようです。
「外人さんが多いんですか?」と聞くと、「やたら中国人が来る」という話でした。また英語圏の人も多いようで、皆さん日本酒を楽しんでいるようだといいます。
言葉の問題はと聞くと、もちろん「何を言っているかは全然分からないけどまあ何とかなる」ということでした。
実際私は海外旅行でバンコクに行って、タイ語はまったく出来ませんが、まあきちんとしたレストランで注文して食べるだけなら何とかなるなという感触がありますので、何となく状況は分かります。
伊東も高速が出来て都会からかなり楽に来ることが出来るようになりましたねというような話をしていたら、注文した定食が出来上がり。
想像以上に豪勢な定食です。刺身になっているのは、左からオゴ鯛、マグロ、イサキ、ブリだそうですが、最初のオゴ鯛という名前は初めて聞きました。
ネットで調べてみると「ヒメダイ」というのが正式名称で、イサキとイシモチを足して2で割ったような魚でした。味は淡白でおいしかったです。
本来は鮮度に難があるらしく、焼き魚として出されることが多いと書かれていましたから、このときの刺身はかなり新鮮だったのだと思います。(ちなみにお魚屋さん系列のお店だと言っていました)
というわけで、しっかりと夕食を食べ会計。消費税も含まれているようで2300円でした。
外に出ると小雨模様。持参した折り畳み傘を広げて、ぶらりぶらりとほろ酔い加減で部屋に戻ります。
部屋で再びネットサーフィンを楽しみ、いつもの就寝時間10時半に寝ました。夜半結構雨の音が聞こえていました。